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“友達“ になったからと言って、いきなりなにかが変わるものではない

朝の教室で 「おはよ！」と声を掛けた時に段々と驚く事が減った

クラスにいる時は相変わらず1人で過ごしているし、誰かと行動を共にする事もない

俺が教室移動とか、昼飯も誘ってみたけど
頑なにそこは拒否

同じ事言うんだ

“相葉くんに迷惑が掛かる“ って


迷惑なんか掛かってないって何度伝えても
首を縦には振らなくて


…その代わり、放課後の音楽室で一緒に過ごすのは
ほぼ当たり前の日課に変わっていた


いつも同じ曲を弾く二宮くん
それに合わせて体を揺らす俺

毎日同じ事の繰り返しなのに、飽きないんだよ


…だって同じ曲しか弾かないのに、耳に心地好いそれは
いつまででも聞いていたくて

そしてそれを弾く二宮くんの表情をずっと見ていたくて

…何て言うか、目が離せない

伏し目がちな目元を見たら、睫毛が長くて
顎のラインなんか、シャープなのに滑らかで

指は男にしては少しふわっと丸くて


…もっと、二宮くんを知りたいと思った
もっともっと、色んな姿を見たいと思った