今日も明日も
第44章 恋空模様
いつもなら、音楽室で「じゃあね」と別れるのに
…今日は少しだけ勇気を出してみた
「ねぇ、二宮くん」
「はい?」
「一緒に帰らない?」
「え…でも…」
最初の頃のような怯えた目
何でそこまで音楽室以外での一緒を拒むんだろう
いや、今はまだ断られてない
いつもはすぐに首を横に振るのに、今日は振ってないし
「俺、二宮くんと一緒に帰りたいな」
何かデートの誘いみたいだけど、気にしない
むしろ二宮くん、可愛いし
男じゃなきゃ、絶対押してる
アプローチしまくってる
「俺と…?」
「そう」
「本当にいいの…?」
二宮くんの頬が赤くなる
…やべ、マジで可愛いかも
「二宮くんと帰りたい」
二宮くんの目が、所在なさげに揺れた
だけどその目から怯えは消えてる
「…嫌?」
わざと寂しそうに聞き返す俺は、狡いのかな
でも今日は、どうしてももう少し一緒にいたかった
「嫌じゃ…ないけど」
「けど?」
「俺なんかとい「つまんないかどうかは俺が決める」」