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今日も明日も

第45章 楽園


何がなんだか分からないけど、先に乗ってしまったものを “降りろ“ とも言えないし

何より、別れるとか何とか言ってるのも気になるしで

相葉さんに続いて自分も後部座席に乗り込むと、険しい顔をして前を向く相葉さんに視線を向けた

だけど相葉さんはこちらを見ようとはしてくれなくて

膝に置いた手をグッと握りしめている



本当はすぐにでも言葉の真意を聞きたいけど

マネージャーの手前、いくら俺達の関係を知ってるとは言え
それも何となく聞きにくくて

…変な空気のまま、車の揺れに身を任せるしかなかった


申し訳ないくらい、マネージャーも気を使ってるのが伝わる

きっと、運転しててもいたたまれないんだろうなとは思うけど

こればかりはどうしようもない




「ねぇ、相葉さん」

少しでもこのピリ着いた空気を変えたくて、ダメ元で相葉さんに声を掛けてみた

「…なに?」

あ、良かった
…返事はしてくれた


「飯は?…俺、コンビニ寄るけどどうする?」
「いらない」

…即答かよ

また、変な空気に戻ったじゃないか



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