今日も明日も
第45章 楽園
エレベーターで肩透かしを喰らってから、何を喋って良いか分からなかった
だけど手はしっかり繋がれたままで部屋の中に入って
離されたと思ったら当たり前にソファーで寛ぎ始めた
…何も出さないのもおかしいから、自分が飲むついでに相葉さんにもコーヒーを淹れてやった
「…はい」
「あ、さんきゅ」
自分のテリトリーで、コーヒーの香り
これだけで俺もだいぶリラックスしてきた
「相葉さん?」
「…ん?」
飲みかけのコーヒーをテーブルに置いて
ふーふーしながらそれを飲む相葉さんに声を掛けた
「…何か、言われたの?」
「え?」
「別れるって、誰が言ったのよ」
相葉さんも、カップをテーブルに置いた
「翔ちゃん……」
…やっぱりか
何となくそんな気はしてたけどね
俺が話した時
なーんか企んだような顔をしたの、俺見逃してなかったもん
「で、何て言われたの?」
「にのが俺に飽きてるみたいだって…」
……あんの撫で肩め
何相葉さんに吹き込んでんだよ!