今日も明日も
第46章 再録・短編 ②
目の前にある、1枚の指令の書いた紙
番組内の罰ゲームは
『これで次の撮影場所まで行くこと』
「なに?どういう事?」
にのが首を傾げる
「おんぶだって」
事前に聞かされた俺が答えたら
「俺が?相葉さんを?」
「いや、それは無理でしょ」
体格からして
力からして、無理に決まってる
「あそ、ならいいや」
"よろしくー "なんて言ってにのが背中に飛び乗った
ぴったりくっつく背中
にのの吐息を首に感じて
細い腕はしっかり俺に捕まっていて
堂々とくっつける至福の時間は罰ゲームどころか至福の時間
…だったはずが
そのぬくもりと吐息をずっと感じながら歩くのが
俺にとって一番の罰ゲームだと言う事に気付いた時には
もう、遅かった
だってこの罰ゲーム、考えたのにのだもん
…俺に当たるように仕向けた
悪魔な罰ゲーム
知らないからね
この仕事終わったら
お持ち帰りしてやるからな!
End