
今日も明日も
第49章 春が近いから
相葉さんの前に1つ差し出せば
先に食べ始めた俺に続いてつられるように相葉さんも箸を持つ
…本当にお腹が空いてた訳じゃないから、あまり美味しいとも感じないけど
それを見せないように “旨い“ って呟いて、相葉さんをちらりと見た
「…うん」
食べながら、相葉さんが頷く
少し、表情が和らいだように見えるのは
相葉さんに渡したラーメンが、彼の大好物のやつだから?
そういう小細工は、ぬかりないんだよ俺
先に食べ始めたのは俺なのに、それよりも早く食べ終えた相葉さんは
立ち上がって、冷蔵庫からコーラを持ってきた
勿論グラスは2つ
アルコールを避けたところが相葉さんなりの優しさ
ちゃんと状況を読んでくれてる
俺が食べ終わると、待っていたかのようにキャップを開けてグラスに注いでくれた
「ありがと」
また、にっこりと笑ってやったら
相葉さんもぎこちないけど小さく笑ってくれて
心の中で、ホッと溜め息をついた
