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今日も明日も

第50章 単純同士の方程式


ピリピリした雰囲気の中の空気の流れが変わった事で、何かが動いた

「…何イラついてんだよ」
だけどそれは、的外れとも言える相葉さんの言葉に再び不穏を呼び戻してしまう

「お前がそれ言う?」
意識しなくても、俺の返事には刺がめちゃくちゃに刺さった

そりゃそうだろう

そもそもの原因はこいつで
俺は何も怒らせる事もしてないし、機嫌良く迎えに行っただけなんだから


それにプラスして相葉さんは酔っている
どこまで飲んだか分からないけど、俺と違って感情を抑えられなくなってる

これならいくら言い合いしても上手く纏まる訳がない

そうならさっさと家に戻って、この息苦しい空間から逃れた方がマシだ

そう考えて、気持ちアクセルに置いたペダルに力を足してスピードを少し上げると

今度は相葉さんはサイドガラスの方へ顔を向けたのが横目に入ってきた

顔を俺から背けるような仕草に何故か泣きたくなる
例え自分が悪くなくても
拒否をされると無性にいたたまれなくなるのは

こいつのせいだ

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