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今日も明日も

第10章 やきもち 2nd

ベッドサイドにある引き出しから、1枚のプリントを取り出した。

《犬のしつけかた・そだてかた》

と書かれたそれは、飼い始めてすぐににのがパソコンからプリントアウトしたもの。

「読まなかったよね?」

そうだ。
にのが「これ、分かりやすいから読んで」ってくれたけど

そんなのなくたって愛情があれば!って言ってすぐに見なくなったのは間違いなく俺…

今、それを出されるまで存在すら忘れてた

「1年も経って、今更感はすごいけどね」

にのが俺にでこピンする。

「…まあね」

「犬ってさ、順位付けするの。ただ可愛い可愛いで行くと、犬はその人を下か同等に位置付けするんだよ。…一番上になろうとするの」

俺はじっとにのの話に耳を傾ける。

「だから、最初が肝心なの。ポチよりも、俺が偉いんだ、逆らったらいけない存在なんだって認識つけなきゃダメ
…って散々言ったよ?」

もう、何も言えない。

何もかも、にの様の仰るとおりで。

「…じゃあ俺は?」

おそるおそる聞いてみる。
だいたい答えは分かるけど

「同等より少し下、な感じ?」

クスクスと笑ったにのがもう一度でこピン。

「…にのは完全にご主人様だよね」

でこピンした指を取って、そのままそれを絡め取る。

されるがままのにのは、まだ笑っていた。

「当たり前でしょ。それだけきっちりやったもん。愛情だけじゃなくて、信頼関係も作れば厳しくしても大丈夫なんだよ」

なら俺は、ポチと同等なくせにご主人様にやたらとくっつくライバル扱いか。

だから何かにつけて、俺たちの間に入ってくるのか。







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