今日も明日も
第53章 恋空模様 2nd
電車の中では、昨日見たテレビの話とか、飼っている犬の話、…当たり障りない内容が多い
俺から話を振るのが苦手なのを知ってるから、相葉くんが喋って俺が頷いたり笑ったり
だから
「…つまんないでしょ?俺といても」
何度もそれを聞いた
その度に “つまんないかどうかは俺が決める“ って言って笑ってくれるけど、その後に
「だって朝と帰りしか二宮くん傍に来させてくれないじゃん」
って言うんだけど、仕方ないよ
だってこんな俺と相葉くんが一緒にいたら、周りに何言われるか分からないし、…俺ももう余計な事に巻き込まれたくない
そう思うのに、登下校を断らないのは
相葉くんの強引さもあるけど
やっぱり……嬉しかったんだ
ピアノに気付いてくれて、気に入ったって言ってくれて、これしか弾けないって言ってもバカにすることもなくて
放課後が、楽しみの時間に変わっていったんだ
学校の昇降口が、離れる場所
切り替えるように相葉くんは “後でね!“ と先に中に入っていった