今日も明日も
第53章 恋空模様 2nd
櫻井先生の突然のそれに、言葉を失ってしまった
「なんで…ですか?」
おそるおそる聞いてみたら
「お前、独り言は胸の中に納めとけ」
“全部口に出てるんだよ、お前“
先生がクスクスと笑っている
でもそれは嫌な笑いじゃなくて、何だか嬉しそうにも見えるのは
「友達、出来たんだな」と俺がずっと1人なのを心配してくれてたから
「ともだち…、うん、ともだち…」
「で、その子に惚れちゃったわけだ」
途端にぶわっと顔が熱くなる
「そ…なんですか?」
相葉くんの事は好きだけど
恋をした事がないから分からない
どんな気持ちの事を恋と呼べるのか分かんない俺にはどう答えていいか分からない
「なぁ、二宮」
「はい」
「ちょっといいか?」
返事を聞くまでもなく、先生は音楽室の中に一緒に入ってきた
座れ、と促されたピアノの前の椅子に座る
先生はピアノに凭れるように立ったまま
「二宮、ピアノ楽しいか?」
「え、…はい」
「最初の頃と今では?」
「え?」
「1人で弾くのと、相葉がいる時」