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今日も明日も

第53章 恋空模様 2nd


相葉くんが立ったままぎゅうぎゅう来るから

座っていた俺はそれを受け止め切れずにバランスを崩し、後ろに倒れそうになってしまった

「危ない!」と声が出たのが先か
思い切り腕を引かれたのが先か

…多分腕が先

椅子が大きな音を立てて後ろに倒れた時には
俺は相葉くんの胸の中にいたんだから


「…っぶねー」
「びっくりした…」

心臓がバクバクしてる
倒れるかも、と言う恐怖のバクバクと
抱き締められたドキドキ

もう、何が何だか分からない

でも相葉くんの腕は緩む事なく、相変わらずしっかりと俺を抱き締めてる

それが段々と嬉しくなって

俺も相葉くんのブレザーの背中を、ちょっとだけ握りしめた

相葉くんが目を細めて笑うから
俺もぎこちないけど、少し笑って見せる

上手く笑えなくて、きっと不細工だと思う

だけど

「笑ってくれた」
って、嬉しそうに言うから、もう不細工でも何でもいい


それに、耳に当たる相葉くんの心臓も
凄くドキドキしてるのが伝わってきてる

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