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今日も明日も

第54章 Perfect Life



「ねぇ、相葉さん」

「なぁに?」

「来て良かった。…ありがと」
“歩いた甲斐があったよ“ なんてちょっと照れたように笑って見せるから

「…うん」
何だかその顔が凄く綺麗に見えて、俺まで何故か照れてしまった

「でも相葉さん、桜見れなかったよね」
かずが少し寂しそうに言う

「いいんだよ、かずが喜んでくれたんなら」

それは嘘じゃない

そりゃ一緒に見れたら感動は倍になったかも知れないけど
俺にしてみれば、かずが喜ぶ方が大事

「でもさ、相葉さんにも見て欲しい。
…だってホントに綺麗だったよ?」

“そうだ!“ と思い立ったように俺を見たかずが

「帰りは逆になればいいんじゃん」
可愛くにっこりと微笑んだ




人混みが嫌いなかずが、その宣言通り俺に桜を堪能させてくれた

途中、自分が見つけた「これ!」って言う桜の場所を教えてくれて


同時には見れなかったけど
同じ景色を
同じ感動を、味わう事が出来た


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