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今日も明日も

第11章 ひみつ

「にの、今日は…?」

明日はオフ。

…今夜は相談はなしで、相葉さんに付き合う日。

「大丈夫。うちに来る?」

これだけで相葉さんは満面の笑み。

もう体の内側から嬉しさが滲み出てる。

ここまであからさまだと、俺も恥ずかしくなるじゃんか!

そりゃまあね
俺だって一緒にいたいけど…

「じゃあ、ほら!にの帰るよっ」

「あっ!ちょっ…」

いそいそと相葉さんは俺の手を取ると

こけそうになって慌ててる俺を気にもせずに、そのまま引っ張って楽屋を出ていった。

「待って待って!俺、靴履けてないって」

引っ張られながら、靴を履くなんて出来なくて、脱げそうになるのを必死に堪えてたけど

さすがに1度止まってちゃんと履きたい。

なのに

「そんな時間もったいない!」

相葉さんは周りも気にせず、いきなり俺をお姫さま抱っこする。

「うわっ!」

予想外の行動に、何も言葉が出ない。

だってまだここは局内で、スタッフさんたちがたくさんいるんだってば。

「お疲れ様でーす。あれ?二宮さんどうしたの?」

ほら。

早速聞かれてる!

「にの、熱出ちゃったみたいで…歩くの辛そうでさ」

平然と言ってのけてるし…

「あー…そう言われてみれば顔赤いね。お大事に!」

「ありがとう。お疲れ様です」

にっこりと返す相葉さん。

…俺の顔の赤みを誤解してくれたスタッフさんにちょっとホッとした。

地下の駐車場に行くエレベーターに乗り込んでも、下ろしてくれず、結局は相葉さんの車に乗せられるまで抱っこのまま。

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