テキストサイズ

今日も明日も

第11章 ひみつ

助手席に座らされて、ベルトまでされて

ようやく俺に靴を履く時間が与えられた…けど

「なんなの?何をそんなに…っ」

運転席に滑り込んだ相葉さんに文句を言おうと
横を向いた途端

俺の唇は相葉さんのそれにしっかりと塞がれてしまった。

「ん…っう…」

場所が場所だけに、誰に見られるか分からないのに
…どんどん深くなっていくキス

絡まる舌に蕩けそうな頭を必死に戻しながら
相葉さんの肩や胸元を叩いた。

でも、力がうまく入らないし
シートベルトで体も上手く動かせないから
何も抵抗になってない。

相葉さんの良いように、散々口内を弄ばれてから

「…っはぁ…!」

やっとキスから解放された。


「何やってんの…!ここ、駐車場!!」

涙目で訴える俺に、相葉さんは気まずそうに頭を掻いている。

「ごめん…我慢できなかった」

「バカ!もう最悪…っ」

両手で顔を隠して、ドサッとシートに凭れかかる。

「ごめんって…やっとにのといられると思ったら止まんなかったんだもん…」

だもん、じゃねーよ。

可愛く言ったって、やってる事は最低だろうが。


もう!

せっかく今日は相葉さんと仲良くしようと思ったのに
気分悪い。

「…今日はやめた。相葉さん、俺送ってから帰って」

顔を隠したまま、拒否を突き付ける。

「ごめん!本当すいません!!お願いだからそれはやめてっ!」

にのと一緒にいたいんだよ!と必死に食い下がる相葉さん。

でも、まだ許さないもん。

「…とにかく送って!」

「にのちゃぁ~ん…」

そこから俺は無言。

相葉さんの方を1度も見ることなく、ただ流れる景色をボーッと眺めていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ