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今日も明日も

第58章 見えない鎖 part Ⅱ


そうなるとやっぱり俺に出来る事は限られていて

結局は最初と同じで濡れタオルを頻繁に替えてあげる事しかなくて

それでも何もしないよりはマシ
助けた以上は、きちんと見てあげたい


「かずくん……」

布団から出てしまっている手をそっと握った

何でそんな事をしたのかは分からないけど

心許ないかずくんを少しでも安心させたかったのかも知れない

握った手が熱い
汗でじっとりとしている

なのに不快感は全然なかった

むしろ、ずっと握ってあげていたいと思った



「あ……」

かずくんの手を握って暫く経った時、小さな声と共に固く閉じられていた瞳が開いた

ゆっくり首を動かして、握られてる手を見つめている

少し苦しそうな呼吸のままだけど、視線が定まってるから意識はあるように見える


「…かずくん」

「おれ…?」

「また、熱が出たんだよ。頭痛くない?」

かずくんは握られてる手から視線を動かさない

「手……」

「え?」

「繋いでるね」

「かずくん?」

かずくんは俺の問いには答えないで、何処と無く嬉しそうに目を細めていた



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