今日も明日も
第64章 見えない鎖 part Ⅴ
昼に食べて、と用意した小さいおにぎりと少しのおかず
これをかずくんは一生懸命、…本当に一生懸命としか言い様がない顔で食べていた
かなり量は少なくしてるけど、まだ多かったようだ
もう少し減らしてあげた方が良さそうだ
好奇心が勝っても、こうしてかずくんに対する “してあげられる事“ が分かるのは悪い事じゃない
そんな事を言い訳に考えるのは、やっぱり後ろめたさと妙な興奮、好奇心を隠したいが為なんだろう
でももう、見てしまったものは仕方がない
これはかずくんの為
これからの、かずくんとの生活の為
…ここまで考えて、俺はこの先どうしたいのかが良く分からなくなった
いずれかずくんは俺のとこを出ていくのに
いや、出ていかなければいけないのに
…だけどそれはいつ?
かずくんがここを出たら、お兄さんの処に戻るの?
…戻って、かずくんは幸せなの?
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かずくんは、前に自分で言ってたように本当に殆どの時間をベランダの前で過ごしていた
テレビはつける事もなく
朝同様、訪問のチャイムに怯え
そして、夕方の6時を過ぎたあたりからはそわそわと時計を気にし始めていた