今日も明日も
第68章 見えない鎖 Ⅶ
そして、そのおかしな生活は彼を狂わせた
最初にかずくんを性的な慰みものにしたのは兄で
その時のかずくんの様子を、ネットで顔を隠して拡散させた
そうしたら予想以上に、批判に混じって売春の申し出があり……
その後は俺がかずくんに聞いた内容のままだった
俺は今、酷い顔をしている筈だ
先輩も直接見たことはほんの一部で、…それを考えたらかずくんへの仕打ちはこれ以上に酷い事くらい想像に難くない
「でな、相葉…ここからだ」
「はい……」
正直ここまででも、頭が痛くて仕方ない
だけど最後まで聞くしか選択肢はない
「弟が山からいなくなった、って必死に捜してるらしい。でな、もしも弟に許可なく触った奴がいたら始末しなきゃいけない、弟も、消毒しなきゃいきない、って…知り合いに手当たり次第に言ってる」
「でも…置き去りにしたのはお兄さんですよ?」
「あいつにしたらあれはただのゲームで、生きてたら同じ生活に戻すだけ。…もし死んだら、弟はずっと手元に安心して置いておける。誰も触られずに済む」
「…じゃあ、俺は……」
「ゲームの邪魔をした奴で、弟に触れた許せない人間って事だ」