今日も明日も
第68章 見えない鎖 Ⅶ
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「いいか?明日朝イチに辛そうな声で会社に電話な」
会社に一度戻り、業務の締めを終えた後
先輩の言う通りに1週間超の食糧と、足りなくなりそうな日用品を買い込んで、アパートまで送って貰った
そして、荷物を玄関まで運ぶのを手伝ってくれながら
明日の事を再確認されている
「大丈夫です。ちゃんとやりますって」
「会社の方は俺が何とかするから。いいな、しつこく言うけど一歩も出るなよ」
「分かりました」
“何かあれば携帯に連絡しろ“
玄関の前に袋を置いて、帰ろうとした先輩に
「お茶でも飲んでってくださいよ」
そう声を掛けたら
「ばーか、弟くんが怯えるだろ」
ヒラヒラと手を振って、先輩はすぐに車へと戻っていってしまった
それもそうか
…かずくんが怯えるよね
あんな話を聞いた後だからか、かずくんの怯えた顔は見たくない
少しでも穏やかに過ごさせてあげたい
ー…先輩、ありがとうございます
見えなくなった先輩に、心の中でお礼を言うと
一度ぱちん、と両頬を叩き
かずくんに悟られないようにしなきゃ、と
自分に気合いを入れ直した