Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第2章 はじまり
面接場所は近所の定食屋さん。
求人募集によると、アルバイトしてた子が大学進学のために辞めて、その穴埋めとしての随時募集がかかっていた。
社交的じゃない僕にとって、飲食店で働くことは難易度が高い。
でも、僕だっていつかは社会に出る。
社会に出たら社交性は必要不可欠。
社交性を身につけるためにも…わざと飲食店のアルバイトに応募した。
今までの僕という存在をリセットさせ、新しい僕という存在を生み出す。
そのための、第一歩になる。
聖輝「着いた…」
定食『しのぶ』。
ここが僕が求人応募したお店。
聖輝「はぁ……よしっ!」
ガラガラ……
聖輝「あの、すいませーん。」
「はい、いらっしゃいませ。」
女将さんらしき人が僕を出迎えてくれた。
聖輝「あっあの…今日ここでアルバイトの面接をお願いしました、涼野聖輝です!」
「あぁ、アルバイトの!お待ちしていました、さぁこちらへどうぞ。」
僕は女将さんに連れられてお店の奥に入った。
「どうぞ、今主人呼んで来ますからね。」
聖輝「はっはい!」
主人って…どんな人なんだろう…
強面のおじさんだったらどうしよう…!!
聖輝「……。」
「こんにちは。」
聖輝「あっこっこんにちは!」
僕の予想はドンピシャ。
現れたのはいかにもガテン系の強面のおじさんだった。