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Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第2章 はじまり



聖輝「よっよよよろしくお願いします!!」


「あははっ!緊張しすぎ!落ち着いて落ち着いて。」


聖輝「はっはい!!すっすみません!!」


「あははっ!じゃあちょっと履歴書見せてもらおうかな。」


聖輝「はっはい!」


僕はカバンから履歴書を取り出して、店主さんに渡した。


「ふんふん…あっ、地元ここじゃないんだ。」


聖輝「はっはい、事情があってここに…」


「そっかそっか…あっ!榊ヶ丘に入学するの?」


聖輝「はい、そうなんです。」


「へぇ〜すごいね!あそこ名門だからなぁ〜」


聖輝「そっそんなに有名なんですか?」


「うん!勉強にも部活にも力入れていて、真面目で優しい子が多いから評判のいい高校だよ!」


聖輝「へぇ〜そうなんですか。」


「ということは…一人暮らし?」


聖輝「はっはい…なので…アルバイトしないと…」


「なるほどね…よし!涼野くん採用!」


聖輝「えっ?!ほっ本当ですか?!」


「うん!言葉遣いもきっちりしてるし、表情も優しいし、榊ヶ丘の生徒さんだし、それに…」


聖輝「それに…」


「自立しようとする一生懸命さも伝わってきたからね。」


聖輝「あっありがとうございます!!」


一徹「そうだ、自己紹介まだだったね。俺はこの定食屋の大将の神崎一徹だ。」


一徹「こっちは妻の有紀だ。」


有紀「よろしくね、涼野くん。」


聖輝「よろしくお願いします!」

よかった…採用されて…

店主さんも女将さんも優しそうな人だし…働きやすいかも…


一徹「じゃあ3日の17時からよろしく!」


聖輝「はい、ありがとうございました。」


有紀「気をつけて帰ってね。」


聖輝「はい!」


4月3日。


入学式の2日後に、初めて働くことになった。


勤務は週3〜4日。


時間は平日は5時間、休日は8時間。


テスト週間や年末年始はお休みをくれることになっている。


お店の営業時間は10〜21時まで。


毎週水曜日が定休日で、年末年始もお休みをする。


臨時休業の場合は前もって入口に紙を貼って報告する。


お店の雰囲気は昔の食堂屋。


アットホームで暖かい憩いの場だ。


こんなところで働けるなんて、僕は本当に幸せだ。

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