Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第17章 死神2
亮「……大安……」
両親が死んだ日も…姉貴が死んだ日も…大安だった。
亮「何がめでたい日やねん…不幸しか起こらへんやん……」
亮「…それもこれも…全部永山のせいや…あいつさえおらへんかったら…!!」
亮「殺す…あいつを殺して…あの金融会社も潰したる!!!」
俺は包丁の刃を両手で握りしめながら…復讐することを誓った。
そう…両親と姉貴の命を奪った刃物の血に誓って……
〜聖輝side〜
聖輝「……。」
錦戸「……。」
聖輝「……。」
僕は…何も言えなかった。
錦戸さんの過去が壮絶すぎて…かける言葉が見つからなかった。
錦戸「…永山は…病気で死んだらしいわ…」
錦戸「この手で殺したかったけど…手遅れやった……」
錦戸「あとで分かったことやねんけど…姉貴をレイプした奴…スーパーの社長の息子やってん…」
聖輝「えっ…?」
錦戸「姉貴…俺の為に…身体売って…スパイク買ってくれて…!!」
聖輝「そっそんな…!!」
錦戸「姉貴が残業って言ってた日…お金の為に息子に抱かれてた…!!」
錦戸「性的暴力もあったらしくて…」
聖輝「そっその人…は…?」
錦戸「捕まったわ…死刑まではいかへんかったけど…」
錦戸「あとは……あの悪徳金融会社や……」
錦戸「あいつらを殺してこそ…俺の復讐が幕を開けるんや……」
聖輝「錦戸さん……」
錦戸「この刃物はな…俺の大切な物を奪ったものや……だから…取り立て屋に似てる…クズ共をこの刃物で刺す……」
聖輝「それが…不良狩りですか…?」
錦戸「…俺はいつか…復讐するんや…悪徳金融会社…刑務所から出てきた姉貴をレイプした奴もな…!!」
聖輝「……。」
錦戸「…ふふ、はははっ!きみには分からへんやろ?全てを失った気持ちなんて……」
聖輝「…分かりますよ…」
錦戸「同情すんな!!俺の痛みなんか…知るわけないやろ…!!」
聖輝「確かに!家族が自殺した錦戸さんの気持ちは分かりません!でも…僕も…ついこの間…両親が死にました。」
錦戸「はぁ?」