Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第17章 死神2
聖輝「中学校卒業式前に…交通事故に遭って…死にました…」
聖輝「身寄りもいなかった僕は…一人で生きていくことになりました…」
聖輝「でも…僕には…お父さんのお友達のおじさんがいました。」
聖輝「おじさんが僕を支えてくれたおかげで…僕は立ち直ることができたんです。」
聖輝「僕…本当は榊が丘に通う予定だったんです。おじさんが話をしてくれて…華やかな高校生活を夢見ていました。」
聖輝「でも…入学式前日になって…アメリカに行っていた生徒が帰ってくるからって…入学をキャンセルされました…」
聖輝「それで…どこも行くところがなかったので…さが高に…」
聖輝「最初は入ってすぐに辞めようと思いました。僕…ケンカとかしたことないし…怖いから…」
聖輝「でも…こんな僕でも…友達ができたんです!不良だけど…信頼できる友達が…できました。」
聖輝「今の僕は1人じゃないんです!家族は死んじゃったけど…1人じゃない…」
聖輝「だから錦戸さんも…1人じゃないんですよ…?」
錦戸「ふふ…あははっ!1人やないって?俺はずっと1人や…」
聖輝「違います!錦戸さんには…北島先生や…僕がいます。」
錦戸「はぁ?」
聖輝「北島先生は錦戸さんのことすごく心配していました。不良狩りをしていた時も…元の錦戸さんに戻るよう説得してくれって頼まれました…」
聖輝「僕は…錦戸さんが怖いです…いつ殺されるのか…恐怖でしかありません…でも!錦戸さんが1人で苦しんでいるなら…僕は支えてあげたいです。」
錦戸「……。」
聖輝「錦戸さん…僕と友達になりませんか?」
錦戸「友達…?」
聖輝「はい。」
錦戸「…ふふ…友達やって?あはははっ!!」
聖輝「……。」
錦戸「あははっはぁ〜…やっぱりお前は他の奴らと違うわ。」
聖輝「えっ?」