Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第17章 死神2
錦戸「初めて見た時から思っとった…こいつはそこら辺の不良とは違うって…」
錦戸「頭ごなしに怒鳴り散らしてケンカに明け暮れてるクズと違って…お前はただただ立ってるだけ。」
錦戸「ただのビビってる奴だと思っとったけど…お前は死神と化した俺に初めて話しかけてきた。」
錦戸「結局はお前に牙を向いて狂犬に刃物を向けたけど…」
錦戸「変な奴って思ったけど…目が離せへんかった…」
錦戸「何か知らんけど…お前やったら…俺のこと話せるかもって思って……」
聖輝「それで…北島先生に頼んで…」
錦戸「あのおっさん…気色悪いけど…嫌いになれへんねん…」
聖輝「僕も北島先生大好きですよ、オネェ口調が面白くて!」
錦戸「せやから独身やねんよなぁ…おっさん…」
聖輝「えっ?!独身なんですか?!」
錦戸「うん…」
聖輝「ひゃあ〜…もしかしたら…男の人が好きなんじゃ…」
錦戸「うわっそんなん最悪や!俺狙われるんちゃうん?!」
聖輝「きっ危険ですよ!!錦戸さん!!」
錦戸「やばっ!!襲われる前に逃げな!!」
聖輝「……。」
錦戸「……。」
「「あははっ!!」」
聖輝「逃げないとって…あははっ!!」
錦戸「だってゲイやったらやばいもん俺…あははっ!!」
聖輝「確かにそうですね!」
錦戸「あははっはぁ〜……久々やわ…心の底から笑ったん…」
聖輝「錦戸さんって…すごく面白い人ですね!」
錦戸「…両親が死んでから…周りには心閉ざしとったからな…」
聖輝「そうですよね…そう簡単に吹っ切れる問題じゃないですもんね…」
錦戸「両親が自殺せんかったら…永山が借金作らんかったら…こんなことにはならへんかったのに…」
聖輝「そうですね…」
錦戸「俺の手で…絶対潰したるねん…!!」
聖輝「錦戸さん……」