Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第22章 大倉くん2
聖輝「ふぅ…スッキリしたぁ…」
「いやぁ〜大倉くんもついに退院か。」
聖輝「ん?」
廊下で医者と看護師が忠義くんのことを話していた。
「はい、半年間長かったようであっという間でしたね。」
「そうだなぁ…初めて見た時は酷かったもんなぁ…」
「はい…それがあそこまで回復するなんて奇跡ですね。」
「うん、ただでさえ命も危ういところだったけど…大倉くんの生命力はすごいな。」
「本当ですね。」
トラックにはねられて助かって…リハビリも成功したなんて…
忠義くんの生命力は確かにすごいかも……
「でも…残念ですね…」
聖輝「ん?」
「リハビリしても…左足はほとんど動かないなんて…」
えっ……?
「事故の時に脚の神経が傷ついたんだ…今の医療の力ではどうすることもできない…」
「大倉くんも…そのこと分かってるのに…ずっと笑っていますよね…」
「あぁ…そんな大倉くんの姿を見ると胸が痛いよ……」
聖輝「……。」
忠義くんの左足は自由が効かないってこと…?
聖輝「……っ…!!」
僕…忠義くんの事情も知らず…
一緒に出かけようって…サイクリングしようって……
聖輝「…最低だ……僕……」