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Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第24章 カミングアウト



櫻井「…ねぇ…ひとつ聞いてもいい?」


聖輝「えっ…?」


櫻井「聖子ちゃんの…本当の名前って何て言うの?」


聖輝「…聖輝……涼野聖輝です…」


櫻井「そっか…聖輝くんか…いい名前だね。」


聖輝「ありがとうございます…」


櫻井「…きみのことは…忘れないよ……」


聖輝「翔くん……」


櫻井「…ご飯ごちそうさま、そろそろ行くね。」


聖輝「……。」


櫻井「…最後に…一言だけ……」


櫻井「今までありがとう。」


聖輝「!?」


櫻井「じゃあね、おやすみ。」


ガチャッ


聖輝「あっ……」


バタンッ


聖輝「……。」


さっきまであった温もりが、一瞬で冷めきった。


聖輝「……。」

これで…よかったんだよね…

翔くんと別れて…

だって…翔くんは…櫻井財閥は……

聖輝「…ゔっ…ゔぅっ……」

あの恐ろしいマフィアと……

繋がってるんだから……

聖輝「ゔっ…ぐすっ…ゔぅっ…!!」

これでよかったはずなのに…

どうして…

どうして涙が止まらないの…?

聖輝「ぐすっ…ひっく…しょお…くん…!!」

どうしてこんなに苦しいの…?

どうして……

聖輝「ゔぅっ…ひっく…!!」

ごめんなさい…

聖輝「…ゔっ…ゔぅっ…!!」

ごめんなさい翔くん…

ごめんなさい…!!

聖輝「ゔぅっ…うわぁぁーんっ!!」


僕は1人部屋で号泣した。

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