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トクベツ、な想い

第11章 11







俺がほしいと言った潤はあの日以来、興奮が冷めないでいるらしい

でもその時のように襲ってくるわけではない

少しずつ雰囲気を醸し出して、俺の様子を確認しながら順序を踏み迫ってくる


会う度に知らない世界を教えられて戸惑うけど
潤だって初めてだろうから、一緒に知ってこうって結構前向きではいる


…んだけど…


最近潤が俺のを触るようになってきていた

元カノにさえそんなに触られたことないから
慣れてなくて抵抗してしまうんだけど…


下を触りだしたことにより、俺は怯えだしていた


俺が知る限りでは男同士って、アソコを使うんだよな女に見立てて…
昔友達とふざけてそんなような話をした気がする

でも詳しいことは知らない


あんなとこ易々と使えるわけないよなって思いはするけど
どうやってとか、そこまで知る必要性なんかなかった

だけど今、それが近付いてる


なんで男なんだろうと思ってしまっていたから
男でも愛し合える方法があること自体はいいと思う


潤となら嫌なわけない…覚悟はあるはず…けど…



「…今日は…何されんだ…」



もらった紙を見つめその場に立ち尽くし
拭いきれない恐怖で、顔が引きつった










ー休憩を利用して調べ事をした

なんとなく避けていたワードをネットで検索する


iPhoneを片手に缶珈琲を飲みながら
ヒットしたサイトの数々の見出しを見ていった


該当するような内容のサイトを指でタップし、開いてみる


それは男同士で付き合っている人のブログだった


綴られている日々を夢中で読んでいく

この人達は両方ともが男を好きで付き合ったわけじゃないらしい

ゲイとノーマルのカップル


潤はゲイじゃないけどなんだか似たように見えて

なんで付き合ってんだ?展開はどうなの?と疑問を持ち、古いページまで遡って目を走らせた



「…色んなことがあるんだな」



壮絶な内容が赤裸々に載せられていた

世の中、ホントに様々なことが起こっている


今の自分も例外じゃないが…


最近の題名の中に[ひとつになった]という一文があった

俺がこれから向かうかもしれないその言葉が気になって
ページを開こうとしたが、そのタイミングで休憩が終わってしまう


後で見ればいいかと缶を空にして捨て、部署に戻っていった


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