テキストサイズ

トクベツ、な想い

第11章 11







「俺仕事してたのにー」


「…悪かったよ…いつの間にか寝てたんだ…」


「ふふ、冗談だって…入るよー」



わざわざ端に寄っていた俺の体を押して入ってきた

ドアが閉まって潤が後ろ手に鍵を閉める

はいはいと背中を押されリビングに着くと、どさっと音を立て買い物袋が置かれた



「すげぇ買ってきたな」


「うん、会社の近くにねスーパーできたんだぁ
翔くん知らないでしょ?」


「うん、知らない」


「だと思った、反対方向だからね
できたばっかだからいつも行くスーパーより安くて…今日はそこで買ってきたんだー」



袋から買ってきた惣菜を出し嬉しそうに話す潤はまるで主婦のようだ


明日用の食材もあると言って、冷蔵庫にそれらをしまう潤の後ろ姿を見ているとあのサイトの内容が思い出される


視線が背中から尻に向かい下がっていって、その位置らしきところをガン見してしまっていた


あそこに…



「翔くん」


「は、はい!?」


「ぶっ何変な声出して」



ふいにこちらに振り返った潤に動揺して声が裏返ってしまった

それが面白かったみたいで笑い出した潤は中々止まらなかった



「…そんな笑うなよ…なんだよ」


「ははは、っはぁー…ごめんごめん
明日の朝ごはんはパンでもいい?って聞きたかったんだ」


「…潤が作るならなんだっていいよ」



そう言うと潤の顔が赤くなった


なぁ…俺はひとつにならなくても、これだけでも十分幸せだ


潤は…どう思ってる…?








晩酌の準備を整え終わると、早速飲みが開始された


仕事とか最近のニュースとか、時々二ノ達の話も交えて酒が空けられていった

泊まりが解禁になって潤も心置き無く飲むようになったから、ビールの空き缶と潤の飲むワインの小さい空きビンがたくさんテーブルの上に置かれる



「…やっぱ酒つえーな」


「量がいけるんだって飲むのゆっくりだから…
毎回言ってる気がするんだけど」


「そうだっけ…」


「…酔ってる?」


「結構ふわふわしてる、潤は変わんないな」


「顔色はあんま変わんない、かも…でも結構きてるよ
翔くんだって顔色はそんな違わないよ?」



そう?と自分の顔を触った


ストーリーメニュー

TOPTOPへ