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トクベツ、な想い

第14章 14






「っあ…」


「ごめん、冷たかった?」



いや、冷たいとかじゃなく…

シップが触れただけで体が跳ねた



「大丈夫…サンキュ…」


「うん、服なんでもいい?」



腰を擦りながら頷くと
クローゼットから俺に似合いそうな服をセレクトして出してくれた

下着を持った潤が俺の足元に移動する



「えっ!?」


「動いちゃダメだよ…腰、悪化しちゃうって」



両足に下着が通され始めていたから、そんなことまでさせるのは悪いと思って…

体を無理に起こしたせいで腰に激痛が走った



「ったー…」


「ほらぁー大人しくしてないとダメだよ
俺のせいだからさ…これくらいやらしてよ、ね?」



潤に押され大人しく服を着せられることになったがまるで子供に還ったようだった


バンザイって何年ぶりなの…おじさん…恥ずかしい


着せられてる間、肌に潤の手が触れる度ゾクゾクして鳥肌が立って

一線を超える前より敏感になった気がした

昨日の余韻が残ってるのかなって思っていると
よしと言って潤は立ち上がり俺の体に布団を掛ける



「もうちょっと寝てたら?」


「…潤は?」


「俺はあっちでテレビでも見てるよ」


「そう…」


「うん、おやすみ」



額にキスを落としベッドから離れていく潤の服を思わず握った

足を止めた潤が俺に振り返って首を傾げる



「…どうしたの?」


「あ…いや…」


「なんかいる?」


「いる…」


「何?水?」


「……潤…」



何を言ってんだと、自分でも思うけど

でも…同じ空間にいてほしくて

離れてほしくなくて



「んふふー甘えん坊だね、翔くん」



嬉しそうにニカっと笑い、いそいそと俺の横に入ってくる潤



「かーわいい」


「…うっさい」



布団を頭まで被って、潤とは逆方向に体を向けた

自分からいてほしいって、言っておいて…なんだこの態度

なんか恥ずかしくて素直になれなかった


潤は分かってるとでも言うように
頭から布団をゆっくり肩まで下げて、後ろから俺の体を包んだ


体温がじんわり伝わるのと一緒に香りも漂い、それを嗅ぐと妙に心が落ち着いて

後頭部に優しく息がかかるのもたまらなくて

上半身に回った潤の手を握った



どうかこのままずっと…

そう祈って目を閉じた


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