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トクベツ、な想い

第17章 17






元から一歩抜けたところにいた良は、名門東京大学に入って…

すぐに会える距離ではなくなってしまったけど、友達として鼻が高かった


彼女はその頃から遠い目をしだした


知ってたんだ
常に美咲の目には、良が映っていたこと…


平行線で交わることはないと思っていた、大学生活を送っていたある日

ダメだと知っていながら…敢えて諦める為の言葉が欲しくて遂に告白をした




"…いいよ"


予想外の言葉だった

望んでいたことだけど信じられなくて
何度も確認をとり、その度に間抜けな声を出して、慌てた

なんで?しか頭になかったけど…

おかしいって笑う彼女を見て
…こんな嬉しいことないってぐらい喜んだ


3人は祝福してくれて

俺達はデートして、キスして…

どんどん色んなカップルに先を超されたけど
奥手な俺にはそれだけで十分だった


付き合い始めた頃からなんとなく違和感はあったものの、しばらく経って彼女はひとつになることを望んだ


初めてのことに苦戦したけど、彼女が望むならと俺の部屋で繋がった

以降、数えられないくらいしたけど
交わる時は常にバックで…最中に俺の顔を美咲が見ることはなかった


社会人になった俺達は
それぞれ働きに出たが、たまに連絡をとりあって定期的に会っていた

1人暮らしをし始めた俺の部屋に
暇があれば来てくれた美咲は同棲をしてくれなかったけど…

そろそろ彼女と一生を添い遂げる言葉と誓いを

俺は用意しだしていた





それを嘲笑うかのような…想いが散ったあの日



"良が…彼女と別れたんだって…"



部屋にきた美咲が少し嬉しそうに言った

良には中学の頃からずっとかわらない彼女がいた


それが今更になって



"私のことずっと好きだったんだって"



…なんだそれ…


実は両想いでした?



"ちょっと待てよ…"



おかしいじゃん



"…もう終わりにしよ?"



なぁ…その言葉もおかしいだろ…?




キスの時、抱き合った時…俺を見なかったこと


今…良と同じ会社に美咲がいること



全てに目を瞑ってきた



鈍感だけど、分かってたよ


良が好きなのを捨てられない君を…


それでもいつか見てくれると、信じて我慢してきたのに




本気で好きだったのに…



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