トクベツ、な想い
第19章 19
それからしばらくして
だいぶ遅れたけど、潤の誕生日をお祝いした
俺の部屋にニノと雅紀と智くんを呼んで
そんなに盛大にやったわけじゃないけど
おいしいもん食べて、いっぱい笑って…
でもやっぱり俺達の関係は公表できなかった
この3人なら大丈夫って、思ってるんだけどな…
避けられたらどうしようって恐怖がでる
それを潤に話したら"ゆっくりでいいじゃん"って天使みたいに笑ってくれた
蓮くん…俺、伝えられてるよ
不安も潤を想ってることも…過去も…
全部じゃないけど、少しずつ言えてる
潤に話すことができて、一緒に悩んで…頑張ることができてる
いつか話す、この友人達にも
覚悟が固まったら2人で…笑顔で伝える
こうやって未来を1歩1歩自分達の足で明るくしていく…
ー10月、潤と旅行した
俺が計画を立てると張り切って
紙に書いた分単位のスケジュールを渡すと、潤は爆笑していた
…そんなにおかしいことか?
文句を言わずにこにこと観光に回って
ちょっと狂いそうになったら調整に協力してくれて
夜は旅館だったら、風流に過ごせてすごく気持ち良かった
あ、そういう意味じゃないからな!
…って言い切れない…けど…
結構弾丸だったから
"楽しめた?"って聞いたら
もちろんって言葉の代わりのキスが降った
ー11、12月
仕事はまぁまぁ
他の階の仕事場の方がバタバタしてたみたいだ
智くんが有名な歌手のバックで踊るって聞いて
潤の部屋のテレビで一緒に見た
あのほわほわした雰囲気からは想像できないくらいキレッキレなダンス
すごく上手くて、歌ってる人が智くんに被る度
"あぁもう…智くんもっと見せてよ"ってテレビに話し掛けていた
"いやいやこの歌手がメインでしょ"
横で笑いを堪えてる潤が最もなことを言うから、渋々そのカメラワークを見て
終わったら2人で自然と拍手してた
智くん、ファンになったよ!
そして恋人達のクリスマスは2人とも仕事だった
仕方ないけど、夜には会えたから全然平気
クリスマスじゃなくたって一緒に過ごせてるし
プレゼントに潤が欲しがってたキッチン用品を渡した時
今更ながら葵ちゃんの弁当のことが思い出されて聞いた
受け取っても食べてもないって…ホッとした