トクベツ、な想い
第19章 19
「大丈夫、大丈夫」
「…お前なー…こんなとこで発情すんなよ…」
両方とも下着を履いて個室を出た
浴衣を整え、手を洗って熱い顔をしながら
別々の部屋に戻っていった
ー朝、タクシーで一緒にマンションに帰った
俺の部屋に帰る途中
潤は自分の部屋へ帰るというので、1人で部屋へ入った
潤がいないと静かな部屋
ずっとどっちかの部屋に一緒にいたから少し寂しく思う
「前は全然平気だったのにな…」
ソファに座ってテレビをつけても
iPhoneでゲームをしたりニュースアプリを見ても
傍に潤がいないと落ち着かない
そわそわしてしまう
なんか用事があんのかな…
部屋行っちゃいけないんかな…
そればっかり30分も考え込んだ
「メールして…」
「翔くん上がるよー」
…え?
合鍵を使って潤が入ってきた
「…用事あるんじゃないの?」
ソファに座りながら驚いた表情を向けた
「ん?用があるなんて言った?」
「…言ってはないけどさ…」
「もっとそっち寄って?」
ソファにスペースを空け、そこに潤が座る
ふーっと息を吐いて俺を真っ直ぐ見る
「俺のこと…好き?」
「え、うん…」
「ずっと…傍にいてくれますか…?」
「なんで敬語?」
「いいから」
「…ずっと、傍にいるよ」
「……」
沈黙の時間ができて、俺は更にわけが分からなかった
でも視線が逸れないから…俺も逸らさなかった