トクベツ、な想い
第19章 19
「愛を…誓ってくれますか…」
「え…」
潤のズボンのポケットから小さな箱が出て
それをパカッと開けた
「…これ…」
中には2つ、指輪が入っていた
「翔くん…櫻井翔さん」
「……はい」
「俺達にはいくつもの壁が待っていると思います
たくさん泣いて、傷つくことがあるかもしれない」
「……はい」
「でも俺は…僕は、松本潤は…あなたを愛しています
愛し続けます」
「……はい…」
「どんな明日がきても、ずっと…この先の生涯を
俺と一緒に歩んでいってくれませんか……?」
「…っ…はい……」
大粒の涙が頬に筋を残して流れていく
瞼を閉じなくても次々と伝ってソファに染みていく
目元を赤くした潤が指輪を抜き取り、俺の左の薬指へはめていった
「…っふ……はぁ…いつから、用意してたの…?」
止まらない涙を拭いながら
「…んー…去年から」
潤は鼻を啜りながら
「…ふ………いつだよ…」
笑った
「…指のサイズなんか言ったっけ?」
「握ってれば、感覚で分かるよ」
「……すげぇ……っ……」
止まらないホントに…
どうしてくれるんだよ…
「…そんなに喜んで…泣いてくれ…なんっ…ふ…」
つられてか潤まで泣き出して
「…潤も、泣いてんじゃん…」
「…っ……泣かないつもりだっ、たのに…」
「はは……もらい泣き……」
「…も…カッコよく決める…つもりだったのにな…」
カッコよかったよ、十分…
「…でも…結婚なんて、できないっしょ…」
ごしごしと潤が両目を擦る
「…は…うん、日本ではいつになるんだろうね…」
「……だよ、な……」
「待ってられないから……一緒に決心ができたら
…海の向こうへ行こうね…」
「……ふ…っう……」
もう…体の水分がなくなるだろ…
なんてプロポーズすんだよ…
嬉しいよ、最大級の"証"
止むまでボロボロと泣いて
落ち着きだした頃に、俺達は誓いのキスをした