トクベツ、な想い
第7章 7
「あー飛び出したはいいけどアイツの行きそうなとこ分かんねぇ…」
待てよ、まずは落ち着いて…
って言っても飲みも結局1回しか行ってないし
色々話してた時のことを思い出しても行きそうなところのヒントなんて特に…
そう思いながらも潤と行ったイタリアンレストランに行ってみる
店の外からガラスで透ける店内を覗き込むが…いない
他に思い当たるとこは…会社
いやいや休んでるんだからいるはずない
それかここら辺ではないのだろうか…
「う″ーん……あっ」
そういえば前にマンションの路地裏で友達と遊んでたって聞いたな…
この前のオムライスも…また行ったってことだよな
自然と早足から本格的に走り出しそこを目指した
路地裏を通るのは初めてだったが、潤を探す為に夢中で入っていった
そこはレトロな居酒屋や食事処、スナック、ちょっとしたクラブなどが並ぶ隠れ家的な狭い通路で
若い子や通な人にはたまらなそうな雰囲気の場所だった
「こんなんなってんだ…」
キョロキョロとしていると奥の方に見たことのあるロゴが見えた
「オムライスの…あそこが弁当屋か
じゃあここら辺に潤がいる可能性も…」
歩いている人は少なかったが
狭そうな居酒屋の扉を外から覗くと結構客が入っていた
そこから見える範囲に探し人はおらず
とりあえず外から人が確認できる店は片っ端から覗き歩いた
何も知らないで見る人には俺は相当変人なんだろうな…
チャラチャラした若い男女やサラリーマンの集団が横切る度、目を凝らして見るが潤らしき人は見当たらない
いないのかな…そう諦め掛けた時
「ちょっと」
いきなり俺の前に人が飛び出してきた
「うおっ」
軽く叫ぶと腕を掴まれて、ずいずいなんだか分からない店の中へ連れていかれた
「へ?へ?何?」
「あんらぁイケメン」
「でしょー捕まえちゃったぁ
こんなところに珍しいわよねぇ」
どうやら店はオカマバーのようだ
そして俺を囲んでいるのは中年のオカマさん達…だろうか
俺の腕を掴んでここまで連れてきた人はすごい派手だった
化粧は厚く、少しふくよかで
指には宝石がついた指輪がごっそり…
例えるなら金持ちの大阪のオバチャンのような…
んー…うまく表現できない