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トクベツ、な想い

第7章 7






「こぉんなイケメン、潤くん以来ねぇ」


「…え…
じゅ…潤?松本潤のことですか!?」


「え、えぇ」


「潤のこと知ってるんですか!?」


「知ってるも何も、ねぇ
前に荒れてた頃はよく来てたのよ?」



俺の腕を掴んでいた派手なオカマさんの両肩を掴み、何か情報をと必死に問い掛けた



「どこにいるとか分かりますか!?」


「あら、潤くんどっか行っちゃったの?」


「3日ぐらい会社に来てないんです…家にも帰ってないみたいで…」



自分のせいかもしれなくてと顔を曇らせ俯いた



「そうねぇ…あの子上京してからきっとここら辺でしか遊んでないと思うんだけど…」


「蓮ちゃんとこは?」


「あーそうねぇ、もしかしたら」



オカマさん達が口々に″蓮″と言う名前を出す

俯いた顔を上げオカマさんを見るとにっこり笑っていた



「蓮ちゃんはね、元はうちのお店にいたオカマ仲間なんだけどね

今ダイニングバー経営してるみたいで…そこに潤くんがよく行ってるって噂、聞いたことあるわ」


「それ、どこですか!?」


「まぁまぁ落ち着きなさいよ
今地図に書いてあげるから待っててちょうだい?」



そう言って派手なオカマさんは奥の部屋に行ってしまった


大人しくその場に立って待っていると他のオカマさんに囲まれ腕を引かれた

不安な表情を浮かべながら、ソファに座るよう促されたので静かに従い座る


食われるんじゃないかと思い一点を見つめ動かないようにしていたら

俺の両隣や後ろ、正面と様々な場所から視線を注がれ
中には匂いを嗅いできたりボディータッチをしてくる人もいて…

そのなんとも言えない恐怖に涙目になった


数分後、奥から派手なオカマさんが戻ってきた途端
さぁっと俺の周りから他のオカマさんが引いていった


なるほど、この人が1番偉いんだ



「ここから近いんだけどちょっと複雑でね
アタシ不器用だから書くのに苦労したわ、分かるかしら?」


「はい、ありがとうございました」



立ち上がって地図を受け取り深々頭を下げる



「潤くん見付かったら教えに来てね」



頭を上げてすぐ笑顔で頬にチュッとキスをされた

ゾワッと鳥肌が立つ


あー…油断した…


端でそれを見ていたオカマさん達がブーイングを飛ばしじわりと俺に近づき出した

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