トクベツ、な想い
第7章 7
全員が俺に襲いかかりそうだったので全力で店を出た
地図を見ながら夢中で書かれた場所を目指す
「えと…そんで…はぁ…ここを右で、
真っ直ぐ行って左に曲がったすぐ左…」
言ってた通り確かに少しややこしい…
地図と周りを確認しつつ歩みを進めていると
近くのラブホらしきところに人が入っていくのが見えた
少し見えた見覚えのある横顔
「っ…ちょ!」
考えるより先に走っていた
後を追ってラブホの自動ドアを通過する
背を向けていたが女の子を連れた潤の姿があった
部屋のタッチパネルをいじり
2人でどこにするか話している
それにカッとなって2人に近寄り
タッチパネルをいじっていた潤の腕を後ろから掴んだ
「っ!……翔、くん」
驚いた顔を振り向かせた潤はいつもと違って髪をアップにし、服装は前のようにオシャレなんだがまるでホストのようだった
ほんのり酒の香りが鼻を掠める
「何やってんだよ…」
「別に…見ての通り?」
俺の手を軽くあしらって遠ざけるような視線を向けられる
ホントに風邪じゃないんだな…
「えーだれぇ?キレイな顔してるねー」
相当酔っているのだろう
フラつきながら潤の腕に絡みつき女の子が嬉しそうに俺を見る
「……会社の先輩」
「えー潤会社行ってるのー?
ホストかと思ったー、ふふ」
体をくねくねさせて潤に媚びている
その子はとりあえず置いといて…
「帰ろ、会社こんなに休んだら迷惑だろ」
「うるせぇな、連絡入れてんだからいいいだろ」
「いいわけねぇだろ
仮病使って…遊んでんじゃねぇよ」
「俺の勝手だろ!」
強めの口調…
いつもとは違う潤に戸惑いながらも
連れて帰らなきゃという気持ちから必死に食い下がる
「ねぇーはやくぅー」
「ごめんごめん」
俺の説得を無視してまたパネルをいじるので
潤に絡まる女の子を剥ぎ取った
「な、何?」
「君も帰りな」
「なんでよー!?」
「いいから」
中々帰ろうとしない女の子に苦戦していると
「翔くんもする?」
「はぁ!?」
「どうせ溜まってんでしょ?彼女いないし
いいよ、俺3Pでも」
「な、何言ってんだよ!」
冷めた目でそうしれっと言われた