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トクベツ、な想い

第8章 8






まだ納得しきっていない自分の気持ちに振り回されている

考えれば考える程、みゆちゃんとは対照的に潤への想いが膨らんでる気がして

自然と胸のつかえも和らいで…



…この気持ちが"何か"…なんだろうか…








その後、自分の気持ちと仕事に追われ動揺と疲れに悩まされたが

なぜかぱったりとタバコは吸わなくなり

潤に無視されなくなったからか周りの反応も元通りになっていって


EA部のあの女の子からはまた
松本くんですか?と言われるようになった

それに"うん"と答えるのが堪らなく嬉しくなっていってる自分の反応に動揺はとれないが


徐々にその想いと向き合いつつあった










―『先輩、前に言ってた飲みの話はまだ有効ですか?』



4月に入った頃、再び忙しくなり始めた仕事に気をとられて
俺の気持ちは置いてきぼりだった


そんな残業中に届いた潤からのメール

絵文字も添えられて友達としての関係は良好、すっかり元通りだ

今の俺はそれを喜んでいいのやら、複雑だったが…



「そういやー断られてたもんな…行きてぇな…」



1回きりの潤との飲みは気持ちを知らなかったし
そのせいでちょっと雰囲気が悪くなったりしたから

挽回じゃないけど

この気持ちがホントなのかも確かめたくて
仕事の状況を数名いる他の人に聞いて確認をとってみた


どうやら明日次第でなんとかなりそうだったので
『明後日でどう?』と返信してみた


すぐに『大丈夫…かもです!』と答えが返ってきてクスッと笑った



あぁ…誤魔化しがきかないくらい嬉しい










―約束の日に限ってちょっとしたトラブルが起こった


一部のパソコンがフリーズを起こしたまま動かなくなってしまった

先方に送る大切なファイルをいくつも持っていたパソコンなだけに、部内の焦りは高まる


消えてしまっては困るとすぐに部長が修理を頼んだ
会社にはパソコンが多い為、社内に修理業者が常に待機していた


すぐに駆けつけ慣れたようにいじっていく間
企画、開発と共に何かあった場合先方に謝らなければいけないからと

みんな終わるまで各々の仕事をしながら待っていた



慎重に作業にあたってくれたからだと思う

3時くらいから完全に夜になるまでかかった


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