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トクベツ、な想い

第10章 10






「翔くーん、お邪魔しまーす」


「お邪魔しまーす」



潤とその友達が入ってきたみたいだ

あれ?鍵は?



「…あいばか、鍵」


「あーやってなかったぁ…ごめん翔ちゃん…
…でも良かったね、友達で」



ニノが雅紀の頭をバシッと叩くのをナイスと横目で見て
入ってきた2人に慌てて近寄った



「わりぃ、あいつら早くて」


「全然、大野さんも俺の部屋に早くから居たし」


「あ、そうなの?」



目線を大野さんという人へ向けるとふにゃっと笑われて



「俺も暇で暇で…
あ、大野です初めまして」


「あ…櫻井です」



頭を下げ合う俺達を見て潤が笑っていた

リビングに促すと俺以外が初めましてと挨拶を交わす

雅紀が潤と握手をしながら顔を見つめて



「うわ、翔ちゃんの言ったこと本当なんだね」


「…何か言われたんですか?」


「すごい男前だって」


「やめてくださいよ」



にこにこ笑い合った和やかな雰囲気に
みんな仲良くなれそうな気がして安心した



「よーしじゃあ翔ちゃんキッチン借りるねー」


「お、なんか作ってくれんの?」


「うん、最近覚えたやつ」



雅紀と俺の会話を潤が不思議そうに聞いて視線を向けてくる



「雅紀は実家が料理屋でさ
跡継ぐ為に色んなとこで修行してんの、言わば料理人の卵」


「へー…色々教わりたいな」


「答えてくれると思うよ、聞いてみな」


「うん」



すでに向かった雅紀の後を追いかけて一緒にキッチンに立ち、話していた

それを見届けてからニノと大野さんを見るとなんかもう打ち解けていて



「ダンサーに見えないけどなー」


「そうでしょ?
別になんなくても良かったんだけど…折角のスカウトだし、今就職難だしねー
二宮くんは?」


「俺はゲームソフト作る会社にいて
今出てるRPGの、あれは俺が」


「え!?あれ二宮くんが作ったの!?」


「えぇまぁ」



自信満々の笑みを浮かべたニノにクスッと笑ってしまう



「何笑ってんの翔さん」


「ごめんごめん、打ち解けるの早いなって思って」


「いやーなんでだろ、話しやすい」


「俺も二宮くんすごい話しやすい」


「てか翔さん聞いて
大野さん、翔さんの1個上だって」


「えぇー!?」


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