トクベツ、な想い
第10章 10
あんなに言い合いをしていた2人が
主に雅紀が怒りをあっさり沈めたところを初めて見る2人はポカンとしていた
俺はんんっと喉を鳴らし戻ったニノに顔を向けた
「お疲れ様です、二宮さん」
「ありがとうございます」
「今日も見事な話のすり替えが決まりましたね」
「そうですね
今回はどうしようかなって考えた結果
たまたまインナーが新しいものだったのでそこを狙ってみました」
「鮮やかでした、ズバリ勝因は?」
「そうですねー
やはり今回も相手が相葉さんという点でしょうね」
「なるほど
今日はゲストに松本くんと大野さんを招いていますが、何かアドバイスなどございましたらお言葉をいただきたいと思います」
「あーそうですね、これは大変危険な技ですので
相葉さん以外にはなるべく使わないようにとだけ言っておきます
彼はピュアで悪く言えば騙されやすい性格なので効きますが、他の人ではこう簡単にいかないと思います」
「そうですね、あーここでお時間がきてしまいました
それでは次回もまた期待しています」
「どうも、二宮和也でした」
ヒーローインタビューのような会話が終わり
ニノがキメ顔をしたところで現実に戻った
途中から潤と大野さんはちょっと笑っていた
「ここまでがいつものパターン」
大野さんは腹を抱えて雅紀が可哀想と言っていた
その説得力のない様子を残りの3人で笑う
トイレから帰ってきた雅紀がなんの話?と不思議な顔をして混ざってきたが
あえてみんな何も言わなかった
思った以上に楽しくて時間はあっという間に過ぎた
「大野さん、今日どうする?帰る?俺の部屋泊まる?」
「あー…どっちでもいいけど…じゃあ久しぶりに泊まろうかな」
「うん、じゃあ翔くんそろそろ俺らおいとまするね」
「あ…うん…」
みんなで軽く酒を飲み交わしながらテレビを見ていたから
全員ここに泊まると思っていた
帰ってしまうと分かって急激に寂しくなる
しかも大野さんが潤の部屋に泊まるって…変な意味はもちろんないと思うけど…
いいな、2人きり…
「みんなで…泊まれば?」
「え?いいの?」
勝手に口が動いていた
聞き返す潤に緩く首を縦に振る
「毛布とかそんなにないけど適当に…」