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家政婦の水戸

第9章 [家政婦特別番外編]ゲスト家政婦登場

 ただただ、なにもせず、座って麦茶を飲むだけだ。


「あの……つぐみさん?」と声をかけてみるが、すかさず「あ、わかってます」と返ってくる。


 なにが、わかっている?


 休憩にしては長すぎない?


 すると、つぐみさんの頭が上下に揺れ、ガクンと糸の切れたマリオネットのように、項垂れた。


「えっ!? つ、つぐみさん?」


 声をかけても返事をしない。


「え……ちょっと……大丈夫ですか?」


 ソファーに体を預けたまま、ピクリとも動かなくなった。


「ちょっと、大丈夫ですかっ!?」と近寄ろうとすると、黒いスーツを着たメカ水戸さんが前に出て、拳をつき出した。


「いや、俺は敵じゃねぇわ!! なんで、ここでボディーガード実行するんだよ!!」


 さすがに、メカ水戸さん相手にしたら、パンチ1発で、千手観音に往復ビンタくらうほどのダメージを負ってしまう。


 そうなったら、俺の顔は跡形も残らんわ。


「いや、あのね水戸さん。彼女、いま倒れてるじゃない。彼女が目を覚まさなかったら、救急車呼ばないと……んで、水戸さんに用事をお願いするよ」



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