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家政婦の水戸

第1章 家政婦、その名は水戸奈津子

 確かに香水がきついな。


 それどころか、香水の匂いに鼻が慣れたら、フワッとサブリミナルのように異質な匂いが漂う。


 水戸さんは使える材料をテーブルに置き、今度は手を洗いはじめた。


 その洗い方は、自分が用意した薬用の殺菌作用のある石鹸で、しつこいくらいに手を洗う。


 それはそれでいいことだ。


「なに、このクッセェ〜おばはん」


「やめろ恵実!! お前は俺に似て口が悪い。あの人は家政婦さんだ」


「家政婦? うちにそんな余裕あるの?」


 恵実は顔をしかめながら、ジロジロと、水戸さんを見つめる。


「だから、格安のを探したら、この人が来たんだよ!! お前も受験があるし、紗知も高校行かなきゃならないだろ。その間だけ、来てもらうつもりだ」


 ただし、可能ならチェンジするつもりだ。


「ふ〜ん、でも、なんか、生きてる感じしないんだけど……」


「恵実、失礼だぞ。お前は2階に上がってろ」


 いや、恵実、それはお父さんも思っていたところだ。



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