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家政婦の水戸

第9章 [家政婦特別番外編]ゲスト家政婦登場

 つばきさんが、手際よく料理をしてくれている。


 新鮮で爽やかな空気が、キッチンからリビングに流れてくるようだ。


 見ていると、生前の若かった頃の妻を思い出す。


 俺がぼんやりと、つばきさんを眺めていると、メカ水戸さんが右手首をドリルのように回して威嚇する。


 なにもしねえよ。てか、あんたも家政婦だろ。なぜ、俺を攻撃対象にする?


「ちょっとちょっと水戸さん、勘弁してよぉ。俺は、普通に雇い主として見てるんだよ。そんな、ドリルはやめてくれよ」 


 つばきさんがこちらを見た。


「あ、水戸さん、お願いします」


 そう言って、ステンレスのボウルをメカ水戸さんに渡した。


 メカ水戸さんは左手でボウルを受け取り、ドリルのように回る右手をボウルの中に……て、ハンドミキサーかっ!!


 それ、文字通りすぎるだろっ!!


 頭えぐられると思ったよ。


 やがて恵実も帰ってきて、いつもと違う空気に困惑していた。


「えっ!! 誰? ちゃんと日本語話せる?」


 どうも、うちは家政婦を言葉から確かめるようだ。


 水戸さんが特別なんだ。


 いや……みんな特別だ。


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