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家政婦の水戸

第10章 水戸さん、プロレスを見る

 いや、その匂いは、おそらく君達の前からしてるはずだよ。


 てか、いま、えげつない情報を耳にしたな。


 なんだよ、残虐団体って……まさか、紗知が言ってた有刺鉄線や蛍光灯使うのか?


 ちょっとそれは……。


 まあ、俺は大丈夫としても、横の二人は、家政婦で女性……あ、絶対、大丈夫だな。


 会場が真っ暗になった。


 大音響のロックなBGMが流れ、リング中央にスポットライトが当たる。


 還暦は過ぎたであろう、ハゲた中性脂肪親父が、ステテコ姿でマイクを持っている。


「え〜、それじゃ、第一試合、やりまあ〜す」


 やる気を出せ!


 プロレスだぞっ!!


「まずは、第一試合」


 初めは、だいたいがデビューしたての、若手のレスラーの試合だ。


 会場にある大型ビジョンに、カードが映し出される。


「ジャンボ尾崎vs竹内カ」


 第一試合から、これ? 名前からして、ベテランかと思ったら、若手かい!!


「ジャンボおやまき対たけうちか」



 ジャンボ尾崎(おざき)じゃなく、ジャンボおやまきなのか?


 崎の字だと思ったら、字が2つ密着しちゃってたんだ!!


 んで、竹内力て……ちからじゃなくて、カタカナの「カ」なの?


 わかりにくいぞ……。



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