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家政婦の水戸

第1章 家政婦、その名は水戸奈津子

 ふと思い出すと、目に浮かぶ。


 耳もとで「あなた、ご飯出来たわよ」とささやく、あの声が……。




『も゙』


「あんたかいっ!!」


 現実に戻された。


 食事が出来たようだ。


 テーブルの上には……これまた美味しそうな料理ばかり並ぶ。


 キャベツが見えるこれは、コールスローサラダだってのは、わかる。あとはなんだ?


 しかし、あの短時間で3品とは、たいしたもんだ。


 2階から恵実が下りてきた。


「いい匂いしてんじゃん、なに、おばさんが作った?」


 水戸さんは頷いた。


『い゚を゙よ゚ん゙』


「えっと、根菜のポトフに、コールスローサラダ、サーモンのミルク煮、お米の場所がわからなかったから、パンを用意しましたって」と紗知が言った。


「なんでお前がわかるんだっ!? あ、お米は切らしてたんだ。また買っておくから……これからも頼むよ。ささ……みんな食事しよう。よかったら、水戸さんも」


 俺は水戸さんの場所を作ってあげた。


『む'』


「水戸さん、いらないって」


 紗知、お前は水戸さんが来る時は、必ずいてくれ。


 すると水戸さんは、バッグから、1枚の紙を出した。


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