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家政婦の水戸

第1章 家政婦、その名は水戸奈津子

 俺はその紙を受け取った。


 それには、こう書いてあった。


[水戸奈津子 永遠の35歳]


・早朝5時〜夜9時まで可。泊まり、住込みはできません。


・食事は一切いただきません。


・これは天然です。決してボケてはおりません。


・ツッコミは受け付けますが、基本スルーです。


・体調により、香水がきつくなる場合がございますが、悪意はありません。


・お酒はすすめないで下さい。


・暴力はお止めください。


・以上、御不明な点がございましたら、栗壱屋家政婦紹介所、お客様相談センターへ、ご連絡ください。


 俺は一通り読んだ。


「なんか、相談したら、またたらい回しにされそうだな。じゃ、水戸さんは食事はしないってことなんですね」


 そう聞くと、水戸さんは頷いた。


 さっそく、水戸さんが作ってくれた料理を頂くことにした。


「おっ!!」


 超うまい。味付けのバランスがいいのだろうか?


 死んだ妻も、料理は上手かったが、水戸さんの料理も文句のつけようがない。


「いやぁ、水戸さん。美味しいですよ。ポトフなんて、簡単に出来る素人料理と思ってましたが、これはプロのポトフですよ。うちにある材料で、こんなのが出来るんですね」



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