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家政婦の水戸

第11章 チーム水戸さんvs悶洲佗亞家政婦紹介所

 小梅は次を紹介した。


「こちらにいるのが、男性で家政夫の東名任弦(ひがしなにんげん)さん40歳だ」


「えっ!?」


 どこにいるか、わからない。


「おい、ババァ。さっそくボケたか。どこにもいねえよ」


「そこにおるわい」


「どこにいんだよ!!」


「東名さん、ちょっと頼むよ」


 小梅が言うと、テーブルの上にあったガラスの灰皿が、ふわりと浮いた。


「はぁ? ポルターガイストでもやとった?」


「違うっ!! ほれ」


 小梅はソファーにかけてあった、白い布のカバーを広げた。


 フワッと広がった、白い布の中央に、なにかの塊が現れ、スッポリと包み込んだ。


「えぇーっ!!」


「どうじゃ、驚いたか」


「アメリカの子供がよくやる、お化け遊び」


「違うわっ!! 彼は透明人間なんじゃっ!!」


「なんだ、透明人間か」


「そこは驚け」


 繁はテーブルをバンと叩いて、立ち上がった。


「アホっ!! たかが、透明人間ごときになんで驚かなきゃならんのだ!! 俺が一番驚いてるのは、せっかく来てるのに、お茶の1杯も出てこないことに憤りを感じて……」


「持ってきてやるから、まっとけっ!!」



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