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家政婦の水戸

第11章 チーム水戸さんvs悶洲佗亞家政婦紹介所

 繁の前に、冷たい麦茶と、烏龍茶と、緑茶と、抹茶と、紅茶と、センブリ茶が置かれた。


「さぁ、好きな物を飲め。これだけあれば、ひとつはお主の好みがあるじゃろ」


「そう来たか……まあ、普通に飲むけどさ。じゃ、これからいただこう」


 センブリ茶を手に取った。


 繁の動きが止まる。


「お主、そうとうロシアンルーレットが弱いと見た。まあ、ゆっくり飲め。つまり、こんな関係があって、うちと栗壱屋が対立しとるわけだよ」


「んで、俺にどうしろって言うの?」


「ようやく話に入ってきたようじゃな」


「こんな不味いお茶飲まされるんなら、話に乗った方がいいわ。早く言え」


「口が悪いやっちゃ。ここでお願いしたいのは、お主に栗壱屋の家政婦を雇ってもらいたいんじゃ」


「家政婦!? 待てよ、俺はアパート暮らしだぜ。それなのに家政婦なんていらねぇだろ。そんな金もないのによ」


 とりあえず一通りのお茶を飲み、図々しくも麦茶のグラスを突き付け、無言でお代わりを要求する。


「いや、費用はうちが出すわぃ。何日間か雇って、ネット掲示板やらにあることないこと嘘偽り、すべて適当に書いて、やつらの信用を失うように持っていくんじゃよ」



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