テキストサイズ

家政婦の水戸

第11章 チーム水戸さんvs悶洲佗亞家政婦紹介所

「だったら、おぬしが望むものはなんじゃ!?」


「俺が望むものか……」


 小梅は、ゴクリと生唾を飲んだ。


 繁はスマホを突き付け、鼻をフンと脹らませた。


「レアホゲモン、3匹でどうだ!!」


「……おうおぅ……まぁ……ふむ」 


 金はかからんが、どう手に入れればいいかわからない。


「よし、わかった。うまく成功すれば、ホゲモンなんていくらでもやるわい」


「よっしゃ!!」


 交渉成立。





 山野宅。


 主の山野羊と、次女の紗知が庭に出て、屋根の内側を眺めていた。


 二人が見ている先には、ブンブンと音をたて、壺のような大きさの蜂の巣があった。


「あれ、私の部屋から見えるの。窓、開けられないよ……」


 紗知が頬を膨らませ、口を尖らせる。


「うわ……ありゃ、確かに危ないな。キイロスズメバチってやつだな。保健所に電話するしかないのかなぁ……」


 困り果てた羊の肩に、トントンと当たるものがあった。


 振り向くと、羊の右頬に人差し指がズボ。


 ちょっとイタズラしてみた、水戸さんだった。


「なにひてんの、水戸はん……」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ