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家政婦の水戸

第11章 チーム水戸さんvs悶洲佗亞家政婦紹介所

『ムッシュ・ピエーロは、雇い主に取り付いて、魔の力によって動かしながら、雇い主に家事をさせる』


「家政夫じゃなくて、ただの憑依じゃねえか」


 繁は電話を切った。


 一瞬、ゾクッとしたものが、背中を走った。


 繁はゆっくりと、後ろを向いた。


「……」


 バギー水戸さんが、人型になって立っていた。


「……あの、静かに変形して立つの、やめてくんない? すんげぇ、怖いから」


『マ゚』


「その返事は共通なんだ……」


 部屋の中では、水戸さんが、洗濯物を袋に詰め込んでいる最中だった。


『……』


 水戸さんはテーブルを見た。


 ピエロの人形のムッシュ・ピエーロが、こちらに向いている。


『……』


 水戸さんは、ゆっくりと近付いた。


 ピエーロを、ギッと睨み付ける。


 やがて、ピエーロの目が光りだした。


 水戸さんは手を伸ばし、ピエーロの首を鷲掴みにした。


 だが、突然、水戸さんの動きがおかしくなった。


 両腕が動かなくなった。


 駐輪場にいた、バギー水戸さんがそれに反応する。


「うわっ!! なんだよ、急に動き出すな」


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