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家政婦の水戸

第11章 チーム水戸さんvs悶洲佗亞家政婦紹介所

 繁は電話を切った。


 すると、5分後……。


『パラバラパラバラパラバラ』


 空からヘリコプターの音が……。


 繁は空を見上げる。


 ヘリコプターから、はしごを垂らしたそこに、頭をピカピカに剃って、サングラスをかけた顔に、体はスコットランドの兵士の姿で脇には、イルカの浮き袋を抱えていた。なぜか、足はビーチサンダル。


 しかも、ヘリから垂れているのは、鎖のはしごではなく、広げた脚立だった。


「おい、なんか、おかしな方向で攻めてきやがったぞ!! ハードル上げて、自分で下げやがった!!」


 そいつは、ウンウンと頷きながら、脚立にぶら下がり、下を眺めている。


「おい、探してるのかよ。おーい、おーい、こっちだこっち!!」


 繁は大きく手を振った。


 ヘリに手を振っていると、ポンポンと肩を叩く者がいた。


 繁は振り返る。


 そこには、ショートヘアで、丸顔の大人しそうな女性が立っていた。


「あ、私、悶洲佗亞家政婦紹介所からやってまいりました。家政婦の藤代綾女(ふじしろあやめ)と申します」


「ヘリのあいつは、なんやってん!? 流れからしたら、あいつが来る方が正解だろっ!! 俺はなんのために手を振ってアピールしてたんだよっ!!」



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