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家政婦の水戸

第11章 チーム水戸さんvs悶洲佗亞家政婦紹介所

 繁は、ククッと笑った。

「人形? これが悪霊がとりついた人形だって? 残念だったなぁ、これは、悶洲佗亞家政婦紹介所の家政婦のピエーロさんだよ! やってしまいましたね、傷害を」


 それを聞いて、バギー水戸さんの目が赤く光った。


『やっぱり……おかしいと思いました。おたくら、悶洲佗亞家政婦紹介所の回し者だったんですね』


 繁はギクッともせず「しまった!!」と言った。


 見抜かれた。


『家政婦のピエーロは実体をもたない、霊体家政婦。人形があれば、どこでも入りこんで意思の疎通をはかれる。栗壱屋の私達の邪魔をしたから、阻止したの。それを知らずに、私達が家政婦をしてたと思っていたのですか?』


「え、普通、それをする役目は、今、部屋に残ってる生身の方だよね? 探偵?」


『あの方は、都合上、いろいろな問題を抱えてらっしゃるので、代役として私がやらせてもらいました』


 この回、初登場にして、主役を抑え込むバギー水戸さんに対し、繁はボケるか突っ込むしか反撃の手がなかった。


「これが本当の家政婦の水戸、いや、家政婦が水戸か……なにを言ってんだ俺は……ちょっと!」


 繁は彩音の方を向いた。


「この時のために、あんたを呼んだんだ。あんた、なんか武器あるだろ!!」



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